一生物と思えるような長く付き合える眼鏡を探していた、毎日使うものだからちょっと贅沢に。シンプルなものが好みなので一山タイプの眼鏡。眼鏡屋さんをいくつか見てみても、なかなかこれだと思うものが見つからなかった。
しかし運命は突然やってくるようで、ふらっと入った金子眼鏡で理想だと思える眼鏡に出会うことができた。井戸多美男作・T410アンティークシルバー。
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職人が手作業で一点一点作り上げる
福井県鯖江市は眼鏡フレームの国内製造シェア約96%を誇る日本最大の産地。T410はその鯖江市の眼鏡職人である井戸多美男氏が作る眼鏡だ。サンプラチナという素材で作られ、とても硬さを感じる。丈夫だと思う反面、最適なかけ心地にするのに少し苦労する。サンプラチナは身体との親和性と耐食性に優れ、古の素材と呼ばれるようだ。
無駄な装飾が無いシンプルで上品なデザイン
レンズがかなり小ぶりで、なかなか見かけないタイプだ。知的で繊細な印象を受ける。しかし表面の研磨跡からは重厚感も感じる。反する2つの性質を持つような、不思議な魅力に満ちた眼鏡だ。一山ブリッジとテンプルにはシリコンの滑り止めが付けられているけど、ぱっと見ではわからず、眼鏡の美しいデザインを崩していない。
手作りのこだわりある一品
金子眼鏡店で最初に試着したものは似たデザインだったけどプラスチックのテンプルがあまり好きになれなかった。店員さんはT410というオールメタルの一山眼鏡があると教えてくれたけど、生産数が少なく、入荷がいつになるのかわからないと言われた。それから約2年ほど金子眼鏡店に足を運び続け、やっと入荷に巡り会えた思い入れがある。
井戸多美男作・T410は決して安いものではないけど、他では味わうことのできない素晴らしさを持つ眼鏡だ。